今日の朝日新聞のWEBニュースからです。
自民党の石破元幹事長が
日韓関係の悪化について、
日本が植民地時代に創氏改名などを進めた
過去のせいだと発言しました。

具体的に何を言ったか、
以下、無断転載いたします。
「なぜ韓国は『反日』か。
　もしも日本が他国に占領され、
　（創氏改名政策によって）
　『今日から君はスミスさんだ』と言われたら
　　どう思うか」
「いかに努力をして（関係を）
　改善するか。
　好き嫌いを乗り越えなきゃ
　いけないことが政治にはある」
　「相手の立場を十分理解する必要がある」

まったく。
この方、創氏改名について、何もご存じありません。
韓国が、反日プロパガンダで言っている
「日本語の姓を押し付けられ、韓国名を奪われた」
などというデマを、
本気で信じているとは、
日本の政治家にあるまじきことで
実に困ったものです。

そもそも、「創氏」という言葉を
何だと思っているのでしょう。
「創氏改名」とは、文字通り「氏」をつくるものでした。
というのは、
当時の朝鮮には「氏」というものがなかったからです。

では、朝鮮の名前、たとえば今の韓国の大統領の
「文」は何か、と言われそうですが、
これは「姓」と呼ばれるものです。
日本人では「氏」と「姓」も同じですが
当時の朝鮮半島の「姓」は
「氏」とは全くの別物でした。
具体的には、男系の血族集団の名前です。

少しわかりにくいので、具体例を使いましょう。
サザエさんの、マスオ・サザエ夫婦を例にとります。
日本の「氏」は
家族の名前です。
マスオさんとサザエさんは夫婦ですから
夫婦単位で同じ「氏」である「フグ田」になります。
ですが、韓国風の「姓」では
マスオさんは、マスオさんのお父さんの姓である「フグ田」
サザエさんは、波平さんの姓である「磯野」のまま
結婚しても変わりません。
つまり、夫婦別姓になってしまうわけです。

さらに、「姓」の前には
先祖の出身地の名前、本貫をつけ
同じ姓の集団と区別をつけるようにしていました。
つまり、朝鮮式の名前は、
（本貫）＋（姓）＋（名）
個人の名前（姓）＋○○（名）で呼ばれていました。

つまり、併合当時の朝鮮には
「家族の名」がなかったわけです。
そこで、先ほどの例でいえば
サザエさん、マスオさん、タラちゃんという
ファミリーに共通の
「家族の名」である「氏」を創設したわけです。
これが「創氏」です

創氏改名については、
当時から、誤解がありました。
以下、当時の朝鮮総督府の発行した
いわば、Q＆A集のようなものから
無断転載いたします。

「『姓』が消滅するとか、『改姓』になるというのは、
　とんでもない誤解だ。
　従来、家に称号がなかったから、
　今度新たにその称号を付けるということになっただけで
　姓には何の影響もない」

では、「氏設定届」を出して
日本風の「氏」を作った人はどのくらいいたのでしょう。
当時の統計によると、全戸数の約八割
残り二割は届を出さず
「姓」をそのまま「氏」としています。
それでも、特段の差別などはなく
たとえば、軍人のなかにも
洪思翊中将など
はっきりと「姓」を使ったことがわかる人もいます。

また、実際の戸籍簿も、
今まで使っていた「姓」は
「姓及び本貫」欄に記録されています。
ちなみに、この戸籍簿は戦後
創氏改名がおわったあとでも
引き続いて使われています。
これは、創氏は「姓」を変えてはいないことの
大きな証拠です

全く、どこの国の政治家の発言かと思います。
私としては
政治家だから、歴史問題をすべて知っていなくてはいけないとは
思いませんし、そこまでの要求もしません
ですが
知らないことは、黙っていてください。
相手のプロパガンダにあっさり丸め込まれて
事実と違うことを、しゃべらないでください
おねがいしますから。